バイクすり抜け問題:分析してみる:警察庁の報告(死亡事故分析)
春の連休時における交通事故発生状況及び暴走族の動向等(平成21年5月7日)という警察庁の報告があります。これは4月29日~5月6日までの8日間の死亡事故について平成20年と平成21年で分析しています。
いくつかの分析があるのですが、ここでは自動車、バイク、自転車、歩行者別の死亡数について考えてみます。
まず期間中の全交通事故死者数は101人で、前年同期と比べて22人(17.9%)減少となっています。この内訳ですが、平成21年は自動車29人、バイク30人、自転車13人、歩行者29人となっています。平成20年では自動車47人、バイク31人、自転車14人、歩行者31人となっており、自動車乗車中の死亡者のみが減っていることがわかります。自動車以外を見ると平成21年と平成20年では差はありませんから、自動車のみ死亡者が減っているのはものすごく奇妙なことです。これには自動車自体の安全性の向上も一因でしょうが、一年でこれだけ大きく減るのは構造上の問題だけではないと考えられます。安全意識の向上かと言えば、周囲を見ていても首をかしげることがあるのではっきりとした原因は私にはわかりません。飲酒運転は減っていますが、これによる死亡事故の数の減少(4人→2人)は2人のみですからこれも主たる原因ではなさそうです。高速道路での後部シートベルトの義務化でしょうか?(後部シートベルトは一般道でもすべきで、自分の命を守るでけでなく、前席の方の命も守ります。してなければ後部座席の人が前部座席の人を圧迫することになり殺してしまう可能性があります。)
次にそれぞれの死亡者数を比較すると自動車、バイク、歩行者はほとんど同じ人数になっています。この中で自動車とバイクの比較は簡単です。
街中を走っていても明らかにバイクの方が車より少ないにもかかわらず、死亡数がほとんど同じということはそれだけバイクの方が死亡事故の割合が高いということになります。それだけ危険性の高い乗り物ということです。車を乗るとき以上に自己防衛を心掛けるべきであり、より慎重に乗るべき乗り物です。
すり抜けないこと、車間距離を適切に取ることが大切です。
適切に走っているバイクに対して、車のドライバーが無茶な運転をしないことも大切です。